2024年5月7日
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ユーザニーズに応える高品質ソフトウエアを迅速にそして意欲的に開発する「自律エンジニア」と「自律チーム」を育成してハイパフォーマンスビジネス組織を目指しませんか?
この四半世紀に亘り、曖昧な要求、要件の変更、スキル不足、進捗遅れ、予想を越えるテスト欠陥量、不十分な支援などの原因によりソフトウエアプロジェクトがQCD目標を達成できていない状況が続いています(注1、2、3、4)。しかし、組織プロセスには実行者や方法が詳細には示されていないこともあり、更に改善することが難しいかもしれません。
この解決には、実行担当者にすべての必要な操作ステップとそれらの順序を含めて完結して示してガイドすることです。これにより、ニーズを満たす高品質ソフトウエアを計画通りに開発することに集中できます。ソフトウエアエンジニアリングやプロジェクトマネジメントなどすべてのプラクテスを詳細なタスクに分解して、エンジニアやチームなどの実行担当者毎にこれらのタスクを正しい順に並べてカプセル化してスクリプト(注5、6)として定義します。
このスクリプトには新しい機能や利点を含ませることができます。例えば、作業エラーを検出したときにそれを作り込んだ作業を識別する、また、見積もり手順に沿って作業規模を見積もると、それまでの実績に基づいて、その見積もり値を統計的に調整(予測)してより信頼できる規模と所要工数(時間)を示すことです。
このようなスクリプトをエンジニアにパーソナルスクリプトとして提供します(注6)。このスクリプトに従って、エンジニアはニーズを理解しソリューション(概念設計)とプロジェクト計画を作成し、提案します。承認されれば、安定して開発を進め、高品質開発成果物を生成し、生産性を向上させます。このエンジニアを自律エンジニアと呼びます(注5、6)。
自律エンジニアはソリューションの不整合や設計変更などが分かれば、ソリューションと他の修正を速やかに行います。日単位の精度で進捗を追跡し遅れを早急に解消します。記録データに基づいて欠陥の除去と防止に努めます。
エンジニアが弊社認定のインストラクタから約2週間のトレーニングを受けて、パーソナルスクリプトを学びこれらのスキルを身につけます。受講の前提条件はひとつのプログラミング言語を理解していることです。品質(テスト欠陥が1/2
〜1/5に減少)と生産性が向上し、報告レポートも簡潔に正確に纏めるスキルが向上します。
プロジェクトを成功させるには、意欲的でありながら現実的なチームワークが必要です。そのためには、チーム スクリプトを使用して、チーム メンバーがスキルとリソースを十分に活用してユーザーのニーズに応え、プロジェクトの目標を達成できるようにします。チームリーダーは、進捗管理や作業割り当て、コミュニケーション改善などから解放され、プロジェクトを成功させるためのチームマネジメントやチームメンバーへのサポートに専念します。
提供されるチームスクリプトに従って自律チームを自律エンジニア、サポートスタッフ、専門家、管理者、必要な場合に上級管理者などで構成し、プロジェクトを進めます。この場合、弊社認定コーチがこのスクリプトをステップ毎に皆さまを具体的に分かり易くガイドいたします。
チームスクリプトの 1 つのセクションであるチーム立ち上げスクリプトは、チームと上級管理職がソリューション、開発計画、リソース、およびスキルの充実度をレビューし、ユーザー、ビジネス、および技術的なニーズに対して一貫性があり、達成可能であることを確認します。達成可能で合意できる場合、上級管理職はプロジェクトの重要性と、チームに将来のサポートを提供する方法を伝えます。
チームメンバーは、互いに協力と能力を最善に生かせるように役割分担とチームワークのルールを作成し合意して、リーダに同意を求めます。これにより、チーム自ら進捗や遅延や品質の管理を行います。
自律チームの導入効果として、複雑なプロジェクトマネジメントの作業や交渉を簡単にできます。プロジェクトがクライアント、コントラクターに分散する場合、サイトごとに自律チームを構成することで、全体のマネジメントが容易になります。また、マトリックス組織の製品やサービスの開発では、開発される製品やサービス毎に仮想的に自律チームを構築して資源調達や出荷スケジュール管理などを簡単に行います。
自律チームからのフィードック例(注8)です:プロジェクト作業を楽しんだ、他のチームメンバーからタイムリーに協力を得た、予想以上の貢献ができた、計画内にとどまることができた、テスト時間を1/4に短縮できた、プロジェクトを繰り返す度に品質を向上させることができた、などが寄せられています(注5、7、8、9)。
以上のご説明より、皆さまがITプロジェクトを安心感をもって進めて確実にQCD目標を達成することができる、そして、ソフトウエアビジネスを強化できる可能性をご理解いただけたと思います。弊社提供の「上級管理者のためのTSP戦略セミナー」を受講いただき、これらの導入戦略を更に詳しくご確認いただけます(注9)。
ネクストプロセス研究所(NPI)は、皆さまのニーズに応えてご支援いたします。「TSPプロセストレーニングの目標」ページを、次に「TSPコースご紹介」ページをご覧ください。セミナーやトレーニングの受講をご希望の場合は「受講のお申し込み」を参照してご要望をお送りください。ご質問やご希望については、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご返事を差し上げます。
尚、オンサイトでのセミナーやコースやコーチングをご利用される場合の料金を低く設定できますので、是非、ご活用ください。
以上
(株)ネクストプロセス研究所
秋山義博 PhD., PMP
https://www.next-process.com
(注1) Standish Group Reports 83.9% of IT Projects Fail – How to Save Yours
https://www.opendoorerp.com/the-standish-group-report-83-9-of-it-projects-partially-or-completely-fail/
(November 25, 2021)
(注2) 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協議会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 2022(2021年度調査)
(注3) 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協議会(JUAS) ユーザー企業 ソフトウェアメトリックス調査 【システム開発・保守調査報告書】2020年版
(注4) 座席予約システムのダブルブッキングや予約不可トラブル、モーバイルICカード決済システムの大規模障害などのトラブルが身近に報告されています。テストでは「今回検出した欠陥が最後である」ことが分かりません。この限界を表しています。
(注5) 1990年代から米国カーネギーメロン大学ソフトウエアエンジニアリング研究所(CMU/SEI)がこの問題に取り組みました。Software
CMMの提唱者 Watts S. Humphrey博士がリードして開発・検証したPSP/TSP (パーソナルソフトウエアプロセス/チームソフトウエアプロセス)を2001年に発表、これをボーイング社やマイクロソフト社など多くの企業が実証しました。この功績に対して、2009年に米国大統領からHumphrey氏にthe
National Medal of Technologyを授与されました(Carnegie Mellon Software Engineering
Institute’s Watts Humphrey Awarded Prestigious National Medal of Technology
(cmu.edu))。CMM、PSP、TSPは米国カーネギーメロン大学のサービスマークです。
(注6) スクリプト(演劇の台本または音楽の楽譜)は、誰が、いつ、どのように、どの動作を行うべきかを最初から最後まで正しい順序で示したものです。
スクリプトの始めと終わりの開始条件と終了条件を確認できるとスクリプト実行の保証を確認できます。スクリプトステップを実行する毎に、作業規模、作業時間、検出した欠陥とそれを作り込んだ作業名を記録します。
これらのデータから進捗状況を確認します。
(注7) Caper Jones, Software Engineering Best Practices: Lessons from Successful
Projects in the Top Companies, 2009/11/5
(注8) 日本のTSPユーザの成果、エンジニアデータはトレーニング・クラスのデータです。CMU/SEI主催TSP Symposium報告(2006年〜2014年)、また、大学院学生が実施するTSPiプロジェクトも同様です。
(注9) (株)ネクストプロセス研究所は2007年よりCMU/SEI 戦略パートナーとして この取り組みを開始し、日本や中国の企業や大学の多くのエンジニア、管理者、大学教員と学生など向けにセミナーとトレーニングと実プロジェクト支援を提供しました。
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